さざなみの記憶と滋賀の祈り
夕暮れには、穏やかな湖面がゆっくりと夕日に染まり、
その美しさを讃えるかのように、
鳥たちが羽ばたきながら彼方へと消えてゆく。
ここ滋賀の地は、一面に広がる湖と周囲を取り囲む美しい山々によって、古の時代から数々の物語が紡がれて来た。
そんなこの地に息づく様々な物語に耳を澄ましてゆくと、
ある途方もない祈りの言葉に辿り着いた。
それは、無数の人々の想いと悠久の自然によって、時を越え紡がれて来た、決して古びることのない祈り。
そして、その祈りの中は、私たちが失いつつある大切な記憶が流れていた。
そんな祈りの言葉を紐解きながら、この地に宿る物語を紡いでゆきたい。
- text / photo HAS
滋賀県
1890年から1918年にウィーンを中心に活躍したオーストリア人画家。 幼少期から類稀なる才能の片鱗を見せる。だが、その才能ゆえに世間の常識や規則との軋轢に苦しみ、数々の称賛を受けながらも、常に様々な批判にさらされる。 そうした苦難を乗り越え、1918年、第49回ウィーン分離派展に出展した作品が大きな注目を集める。しかし、同年ヨーロッパを中心に流行したスペイン風邪によって、若干28歳の若さでこの世を去る
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[ 前編 ]水と祈りの記憶を辿る
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[ 中編 ] 2022.10.22公開予定遥かなる祈りへの旅路
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[ 後編 ] 2022.10.21公開予定途方もない祈りの言葉
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[ 最終編 ] 2022.10.29公開予定山水の記憶に導かれて